Home: マグリスト情報局 > 出版社別 > 藤原書店 > 雑誌「環」
われわれはいったいどこに立っているのか、どこへ行こうとしているのか。われわれは先の見えない混沌の中にいる。今こそ、世界史のダイナミズムのうちに、みずからが存在していることを自覚しなければならない。学問の真の目的は、現実をどう認識するか、にある。しかし現実は、諸学の狭隘な視野を越えるトータルな知と、大地に立って物事の本質を掴む歴史意識において、はじめて姿を現すものなのである。今われわれが混沌の中にいるとすれば、それは、歴史に向かいあう主体のあり方を顕示する学の不在を示している。必要なのは、学の総合と、学における歴史意識の回復である。そして、それは作り手と読み手の問題意識、現実認識、すなわち歴史認識が、より直接的に反映されうる総合誌においてこそ、試みられるにふさわしい企図であろう。現実を、歴史を、「全体」として捉えるようなトータルな知をこの雑誌で提示していきたい。
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